研究課題
今年度は、タイ、マレーシア、韓国、日本を事例に、東南アジア、東アジアにおける国境を超える地域間結合の実態を調べるために、聞取り調査を実施するとともに、文献資料収集による分析を行った。まず、タイ・マレーシアの事例では、行政と民間レベルにおける地域間結合依存関係の違いが存在している。宗教や文化的違いによる衝突があるものの、一部地域では、互いの文化的理解に関する国境を越えるコミュニティー空間が形成されていた。一方、政府レベルでは、不法労働・滞在や違法行為などの取り締まり、安全・セキュリティー問題を抱え、より法的措置を取ることが、国境を越える地域間連携構築に壁となっていた。また、マレーシア・インドネシアの事例では、行政の制度による民間交流に制約が見られた。プランテーション農業におけるインドネシアからの労働力は非常に重要な役割を果たしてきたが、インドネシア国内での賃金上昇およびマレーシア政府の外国人労働者に対する厳しい制度実施が人流による地域間連携の構築において障害となっていた。最後に、韓国・日本の事例として、青少年スポーツ交流と韓国大衆文化交流など、地域間交流を調べたが、長期にわたり継続的に実施してきた釜山―福岡間青少年スポーツ交流は、両地域間連携構築に重要な役割を果たしたが、行政レベルと参加者レベルにおける交流事業に対する意識の違いが存在することが明らかになった。また韓国大衆文化交流では、メディア報道に歪みが存在し、それが、参加者の積極的な交流行動に制約をかけており、国境を越える地域間結合依存関係の構築に障害となっていた。
【主たる外国機関と海外共同研究者の状況】(続き)Pusan National University:2017年12月18日-2018年1月1日、2018年1月9日-2018年1月17日、2018年1月23日-2018年1月30日、2018年2月8日-2018年2月26日、2018年3月20日-2018年3月21日、2018年3月28日-2018年3月31日
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