先進各国の競争政策当局は企業結合とカルテルの関係について懸念を抱いている。すなわち、企業結合によりカルテルが促進されることを危惧している。このような見解は各国の合併ガイドラインにて言及されている。本研究は、競争政策上重要なトピックについて実証的に検証し、とりわけ、各国の垂直企業結合規制に対し貴重な実証的証拠を提供している。また、違法カルテルの発見方法についても示唆を与える研究になっている。従来使用されていたカルテル判別方法を現実に摘発されたカルテル期間のデータを元に検証した結果、カルテルが検証されなかった。カルテル検定の、こうした不備を指摘したことは学術的および政策的に重要な意義を持っている。
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