研究課題/領域番号 |
15KK0105
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研究機関 | 都城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
吉井 千周 都城工業高等専門学校, 一般科目文科, 准教授 (90413880)
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研究期間 (年度) |
2015 – 2016
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キーワード | 法社会学 / 紛争処理 / モン族 / 法化 / タイ |
研究実績の概要 |
申請者は誘拐婚(kidnapping Marriage)をめぐる二つの事例分析をフィールドワークによる分析と、共同研究によるさらなる研究の進展を当該基金で実施したいと考えている。「誘拐婚」とは12歳から14歳の女性を、男性の家に3日間滞在させることで婚姻が成立するモン族の固有法による婚姻である。かつてラオス・タイのモン族間で行われており、かつ一部コミュニティでは現在でも行われている慣習婚の一形態である。 i)平成27年度は、翌年以降行われる国際共同研究の実施に当たり、受け入れ機関となるタイ国立チェンマイ大学RCSD(Regional Center for Social Science and Sustainable Development)において、受け入れ体制の調整を行った。その結果平成28年4月から平成29年3月までの期間、RCSDの特別招聘研究員として所属が認められた。 ii)極めてプライベートな情報となる誘拐婚の当事者を個人情報保護に十分に配慮すると共に、村落フィールドワークにおいて申請者自身の身の安全を確保するために現地NGO(Bahn Ruam Jai Project)において、共同研究体制の整備を行った。その結果平成28年4月から平成29年3月までの期間、共同研究を行うことで合意がとれた。 iii)タイからアメリカに移住したモン族の内部で行われる誘拐婚について、現地モン族互助団体と連絡をとり、フィールドワークの調整を行った。その結果平成28年度内に二回のフィールドワークを行うことで合意がとれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度の国際共同研究実施にあたり、受け入れ先機関となるチェンマイ大学において、当初予定していたRCSDに加え、CESD(Center for Ethnic Studies and Development)にもAffiliated Resarcherとしてポジションを獲得することができた。これにより、CESDの有する山地民関連アーカイブにも多くアクセスできるようになり、研究の成果発表の幅が大きく広がり、さらなる進展が予想される。 また平成27年度に滞在していたThai Nichi Institute of Technologyにおいても、共同研究グループを形成することができ、バンコク市内のタイ人の法意識を調査する準備ができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、4月第一週よりチェンマイに赴任し、研究活動を実施している。 チェンマイ大学RCSD内にオフィスをセットアップし、Dr.Leeprachaa先生との共同研究も開始した。加えてNGOとの連携を行い、今後フィールドワークを含め、研究を推進する予定である。 加えてタイ国立メーファールーアン大学の地域開発学部(Faculty of Local Management)からも共同研究の打診があった。 4/24現在で、3本の論文執筆と、2件の学会発表が予定されており、それに向けて調整を行っている。
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