世界各地に住む少数民族は、その数の少なさ、また政治的地位の低さのため、民族固有のルール(固有法)を居住国の実情に合わせ適応していくことが求められる。しかし、海外に居住する日本人がそうであるように、民族固有のルールを移住先のルールに適合するのは多くの困難がある。 特に居住国の法体系によって変化していった固有法は、もともとの固有法から大きく変化し、独自の発展を遂げている可能性が高い。本研究では、タイ及びアメリカに居住するモン族の固有法を手がかりにして、その変化について、近代法と同じように法化現象を起こしている状況を生み出していると仮説を立て、その解明を行った。
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