本研究は日中米政府の対中央アジア政策の位置付けての説明を試みた。その結果、各国政府の重要性と位置づけの違いが判明した。中国の場合、資源開発と貿易以外において近年のインフラ開発が最重要課題とされており、その中で中央アジア地域に発展をもたらすというより、中国の経済発展の維持が重視されている。米国の場合、ロシアや中国の拡大の制限という政治的な目標以外にアフガニスタンにおける米国の戦略を成功させる意味でも中央アジア地域は非常に重要な位置づけにある。そして、日本の場合、中央アジア地域における政策上の位置づけは今後の重要な課題であり、現時点において資源開発、経済的なフロンティアに過ぎないものになっている。
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