6歳から24歳の自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: 以下ASDと略す)児及びコントロール群に対し嗅覚特性をSniffin Sticks嗅覚検知閾値テスト及 び、質問紙であるOAS(Odor Awareness Scale)、AIO(Affective Impact of Odor Scale)、Odors in Everyday Life Questionnaire (OELQ)、感覚プロファイル日本語版、Sniffin Sticksを用いて評価した。自閉スペクトラム症と診断されている被験者に対し、多 岐にわたる嗅覚測定及びロボットを用いた行動評価を行った。嗅覚特性を嗅覚過敏、嗅覚刺激への低反応、嗅覚への探求と分類した際に嗅覚過敏の強い群がヒトと比べて対ロボットに対する行動が前向きである可能性が示唆された。参加者へのインタヴューから嗅覚過敏の中でも体臭への過敏が強いことが、ヒトでなくロボットとなら前向きに行動できることにつながっている可能性が示唆された。 また視覚や聴覚といった他の感覚過敏についても感覚評価をSensory Profile日本語版を用いて評価を行った。ロボットとのインタラクションに対する姿勢と感覚過敏、感覚刺激への低反応、感覚鈍麻との関係を評価したが、視覚過敏の強い群でロボットに対し前向きに行動することが観察された。また視覚過敏の強さと嗅覚過敏の強さの間で強い相関は認められなかった。
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