手指巧緻運動の学習に関係する脳内ネットワークを評価するため、脳磁図(MEG)による脳機能評価を実施した。運動課題は研究室で考案されたSequential Visuomotor Isometric Pinch Task(SVIPT)を使用した。本実験では、ピンチ動作における運動学習を測定するためフォーストランスデューサ―を使用するが、運動中の脳機能測定を行うため、MEGルーム内で使用できる機器の開発から行った。そして、作成した機器が脳機能計測中もノイズを発生しないことを確認してから実験を開始した。 本研究では、脳内ネットワークと運動学習の関係性を明らかにするため、脳機能測定を運動前後の安静時および運動中に測定した。脳内ネットワークの指標としては、運動対側の一次運動野との他の脳領域における連結の程度を周波数解析を中心に評価している。そして、得られた脳内ネットワーク指標と1日目(online学習)、2日目(offline学習)、1週間後(retention学習)の運動機能(ベースラインからの学習)の関係性について検討する予定である。 実験は、2017年9月~11月に実施、その後追加実験として2月に再度渡米して測定を行っている。最終的には22名の被験者のリクルートが完了し、データ解析を行っている段階である。特に脳内ネットワーク評価に関しては、全脳におけるコネクティビティ―解析も視野に入れてプログラムを作成中である。2018年度においても連携を維持しながら、データ解析などを行っていく予定である。
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