研究課題
本研究の発端となった基盤研究（B）「20 世紀アジアの国際関係とインドネシア華人の移動」は、脱植民地化、国民国家形成、冷戦といった20 世紀のアジアの国際関係を、再移住の当事者ら個々人のナラティブからとらえなおすことを目的としていた。具体的には、第二次世界大戦後のインドネシア華人の再移住について、再移住の年代ごとにオランダ、中国、台湾、マレーシア、日本での調査を行った。基盤研究（B)の研究成果を踏まえた上で、本国際共同研究では、これまで中国大陸と移民先の２地点との関係を中心に論じられてきた華人研究に対して、台湾との関係を日－台－イの研究者が共同で研究することで、華人研究を相対化し、新たなパースペクティブを提示することを目的としている。3年目となる本年度は、台湾政治大学と共催で国際セミナー「Contextualizing Taiwanese & Chinese Presented in Southeast Asia Southeast」を開催した。本セミナーでの議論を踏まえ、日本・インドネシア・台湾・香港・中国・オーストラリアの研究者に加えて、台湾で東南アジアに関係した活動を展開しているNPO活動家らを招聘し、「Contextualizing Taiwanese & Chinese Presented in Southeast Asia and Southeast Asians in Taiwan in Both Historical and Contemporary Perspectives」を二日間にわたって開催した。このワークショップでは、台湾と東南アジアに関する歴史と現在の関係性を複層的に論じた。さらに、台湾からの視座を取り入れた華人研究の今後の可能性ついての議論を行った。
2: おおむね順調に進展している
2017年度にジャカルタで開催した国際ワークショップに加え、今年度は台湾政治大学にて複数国からの研究者ならびに台湾のNPO活動家を招聘し、台湾政治大学と共催で国際ワークショップを開催することによって、本研究の目的をより進めることができた。台湾は、現政権が推進する「新南方政策」によって、対東南アジア政策や、台湾国内における東南アジアからの外国人花嫁らの子供たちの位置づけが変更しつある。このような中、台湾と東南アジア華人の歴史的・文化的つながりを踏まえた上で、日本・インドネシア・台湾・香港・中国・オーストラリアが一同に会して、台湾と東南アジアの関係を再考する試みを行ったことは、その複層性と現代性において意義があり、国際共同研究が順調に進展しているため。
本研究では、申請者の調査を進行させながら、インドネシア、台湾、日本の研究者による国際ワークショップを行うスタイルである。今後は、補完調査を行うことと、これまでインドネシア、台湾で行った国際ワークショップの成果の公開を検討する予定である。また、今後の研究の展開を視野にいれ、他のプロジェクトと共同で日本国内で国際ワークショップの開催を予定している。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (3件)
Issues & Studies: A Social Science Quarterly on China, Taiwan, and East Asian Affairs
巻: 54(1) ページ: 1802001-1-4
10.1142/S1013251118020010
China's Footprints in Southeast Asia (Singapore: NUS Press)
巻: 1 ページ: 172-193
巻: 54(1) ページ: 1840001-1-23
10.1142/S1013251118400015
巻: 54(1) ページ: 1840002-1-24
10.1142/S1013251118400027
巻: 54(1) ページ: 1840003 -1-30
10.1142/S1013251118400039
http://project-archives.org/2012b/en/
