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2017 年度 実施状況報告書

改良型機械的人工換気システムを用いた横隔膜の筋萎縮回復メカニズムの解明(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0131
研究機関順天堂大学

研究代表者

関根 紀子  順天堂大学, スポーツ健康科学部, 客員准教授 (10393175)

研究期間 (年度) 2016 – 2018
キーワード筋萎縮 / 横隔膜 / ミトコンドリア / 機械的人工換気 / 硫化物
研究実績の概要

横隔膜は,下肢の筋と同様に骨格筋に分類されるが,心筋に似た特徴も併せ持つ一風変わった筋である.渡航先の研究室メンバーや循環器を専門とする他の研究者らとのディスカッションから,血圧調整に関わる硫化物の投与が横隔膜萎縮を軽減する可能性があるのではないかとのアイディアを思いつき,予備実験を行ったところ,予想外に大きな効果が現れたため改めて本実験を行った.硫化物または疑似物質投与条件×人工換気の有無により4つの実験群を設定し,横隔膜収縮機能,筋萎縮の程度,ミトコンドリア呼吸機能,および活性酸素種の産生について評価を行ったところ,硫化物の投与による有意な横隔膜の保護効果が認められた.その後,示された保護効果のメカニズムの解明のため,ミトコンドリア機能に着目して分析を行っているが,決め手となる結果が得られないまま現在に至っている.
共同研究者とのディスカッションにより,本実験で得られた保護効果のメカニズムを明確にするためには更なる追加実験が必要であると考えているが,まずはこれまでの結果を国際学会および論文にて発表する方向で現在検討中である.本研究の結果は,骨格筋においてこれまでほとんど注目されてこなかった血液循環およびミトコンドリア機能と筋萎縮との関連性を示す新しい知見を提供することができると考えている.これにより,下肢骨格筋よりも萎縮が早く進む横隔膜萎縮予防にむけた新たな方策につながることが期待できる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

主たる滞在期間において行った実験では,十分なサンプル数を確保するとともに予想と異なる興味深い結果を得ることができた.しかしながら,得られた結果に至ったメカニズムについては未だ解明の途中であり,分析を続けているところであるが,現在は論文作成を見据えたまとめの段階に入っている.

今後の研究の推進方策

現在は分析の最終段階に入っており,学会発表および論文作成を見据えた取り組みを行っている.しかしながら,予期せぬ結果となったこともあり,解明できずに残った疑問点は多く残っている.これらを解決するためには,循環系を専門とする研究者の協力を得ることが必要であると考え,現在協議を行っている.また,新たな研究アイディアも多く得られており,それらに興味を示したフロリダ大学獣医学部の研究者と新たな共同研究を行うことについて検討を行っているところである.
これら国際共同研究のほか,日本で行うことができる研究アイディアについては,入手済みサンプルに新たな分析を加え,更なる知見を得る方針で取り組んでいる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Intermittent spontaneous breathing prevents mechanical ventilation-induced diaphragm atrophy and dysfunction2017

    • 著者名/発表者名
      Noriko Ichinoseki-Sekine, Toshinori Yoshihara, Takamasa Tsuzuki, Aaron Morton, Matthew J Hinkley, Scott K Powers, Hisashi Naito
    • 学会等名
      Experimental Biology 2017
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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