研究課題/領域番号 |
15KK0136
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
日野 愛郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30457816)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2019
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キーワード | 政党 / マニフェスト / コンピュータ・コーディング / 計量テキスト分析 / 政策位置 / 教師なし学習 / Wordfish / トピックモデル |
研究実績の概要 |
本国際共同研究加速基金の目的は、基課題である若手研究(B)「政党マニフェストの時系列データ構築と政策位置の推定」において収集した政党マニフェストのテキストデータに最先端のコーディング技法を適用して各政党の政策位置推定の妥当性と信頼性を高めることである。渡航先であったミラノ大学では、共同研究者のLuigi Curini准教授(政治学)やStefano Iacus教授(統計学)を中心として、ヒューマン・コーディングによる文書のコード化をもとに集合的予測を可能にする統一パッケージが開発されており、共同研究を進めることで複数のコーディング技法を比較することが可能になった。 2018年度における研究成果の概要は以下の2点にまとめられる。(1)まず、電子化した政党マニフェストのテキストを、今後公開して他の研究者による二次分析が可能となるようアーカイブ化を進めた。1996年から2012年までに収集された国政選挙の政党マニフェスト133件に対して、光学読取ソフト(OCR)の誤変換の修正や図表位置の埋め込みなどの細かな作業を進めた。(2)教師なし学習(unsupervised learning)のスケーリング方法の1つであるWordfishにより推定された政党位置の妥当性の検証を進めた。具体的には、推定された政党位置をもとに選挙ごとに政党システムの分極化の度合いを算出し、既存のヒューマン・コーディングにより構成された比較マニフェスト研究(CMP)における左右のイデオロギー指標(rile index)との関連性を検討する形で妥当性を検証した。その結果、Wordfishによる政党位置推定は、重み付けの手法に左右されるが、概ね既存の政党位置と一致することが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基課題で収集した政党マニフェストのテキスト化を精緻化させ、当初の予定通り教師なし学習(unsupervised learning)の手法のひとつであるWordfishを用いた分析を行った。得られた結果を既存の研究に照らし合わせながら、その妥当性を検討した。また、マニフェストテキストの公開に向けて、テキストのアーカイブ化を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
比較マニフェスト研究(CMP)などの既存の政党位置の指標と比較検討し、妥当性を検証した学会報告を行い、フィードバック得終える。論文を学術誌に投稿する。
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