研究課題
2019年度における研究成果の概要は以下の3点にまとめられる。(1)まず、電子化した政党マニフェストのテキストを、今後公開して他の研究者による二次分析が可能となるようアーカイブ化を進めた。これまで、前年度までは1996年から2012年までに収集された国政選挙の政党マニフェスト133件であったのに対して、2017年総選挙まで期間を延ばし、合計161件のマニフェストをテキスト化した。(2)教師なし学習(unsupervised learning)のスケーリング方法の1つであるWordfishにより推定された政党位置の妥当性の検証を進めた。具体的には、推定された政党位置をもとに選挙ごとに政党システムの分極化の度合いを算出し、既存のヒューマン・コーディングにより構成された比較マニフェスト研究(CMP)における左右のイデオロギー指標(rile index)との関連性を検討する形で妥当性を検証した。(3)その結果、ヒューマンコーディングによる比較マニフェストプロジェクト(CMP)や専門家調査による政党位置と一定の一致が見られたが、Wordfishによる推定は、与野党の立ち位置などイデオロギーだけではない要素を内包する可能性があることが示唆された。また複数の選挙をプールして推定したところ、政党システムの分極化の度合いは微増している状況が浮かび上がった。これらの結果を2019年10月に実施された日本政治学会において報告した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 8件)
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