研究課題/領域番号 |
15KK0137
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研究機関 | 仁愛大学 |
研究代表者 |
加藤 優子 仁愛大学, 人間学部, 准教授 (90570614)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | 異文化トレーニング / 批判的思考教育 / ICT / ブレンディッド教育 |
研究実績の概要 |
本国際共同研究の目的は、学生の異文化コミュニケーション活動に必要な実践的知識を育成するために、基課題で開発中の異文化トレーニング学習支援システムと、英国の批判的思考教育を交えたブレンディッド教育方法を探究し、授業モデルを確立することである。 基課題で実施した調査では、実践的知識を育むための批判的思考教育等を本システムに取り入れ、理論的に整備された教育を検討する必要性が示された。そこで、本国際共同研究では、英国で教育学を専門とし、批判的思考教育と本研究を熟知している研究者と共同で、異文化トレーニング学習支援システムと批判的思考教育によるブレンディッド教育方法を考案し、実践的知識を育む授業モデルを確立することを目指す。 平成28年度は、どのような批判的思考教育を取り入れれば、学生の異文化コミュニケーション活動に関する実践知習得に繋がるのかについて、面接調査によって英国の教育学者からの知見を得ることと、英国の優れた批判的思考教育方法について文献を収集することを主眼とした。 渡航先の大学では、共同研究者と面談を行い、教育方法に関しての考察を深めた。また、同大学の4名の研究者から、本研究に関する意見を得た。次に、付属図書館で文献調査を行い、研究者らの推薦する図書も含めた文献収集に努めた。渡航期間中は、共同研究者とほぼ毎日面談を行う中で、本研究内容だけでなく、英国の教育事情や社会情勢に関する情報も得られた。 現在、収集した資料の整理と、面接調査内容の取りまとめを行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
帰国後まもなくして、本務校の所属学科教員全15名のうち、2名が急逝、2名が転出、1名が入院した。このため、大学における一人当たりの業務分担が激増した。また、現時点では、着任した新任教員は1名にとどまっており、学内委員会や役職における所掌事項も増加しているため、各教員の責務も増加中である。このため、研究および渡英に必要な時間の確保が極めて困難な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定では、平成29年度は実践的研究を行うつもりであったが、前述のとおりその実施は困難な状況にある。そこで、まずは前年度行った調査内容の精査に取り組むこととしたい。具体的には、①平成28年度中に英国にて収集した資料の整理と、面接調査内容を取りまとめ、当初計画にあった、英国の批判的思考教育と異文化トレーニング学習支援システムのブレンディッド教育の授業モデル案を作成する。②このモデル案について、英国の共同研究者とメール等によるやり取りを重ね、雛形を作成する。③可能な限り、授業期間外でまとまった時間を作り、渡英して共同研究者と協議を重ねる。 ①・②は、研究代表者の現状を鑑みると、その進捗は遅いものと予想される。ただし、国際共同研究者は、本研究内容を、研究代表者が平成22年度に採択された若手研究(B)の研究開始時から熟知しており、本研究に関する理解は深い。したがって、メール等によるやり取りによっても、内容を鍛えることは可能と考えている。③については、授業期間外であっても公務による出張や委員会が多数設定されているが、周囲の理解を得ながら渡航期間の確保を推進していきたいと考えている。
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