本国際共同研究の目的は、学生の異文化コミュニケーション活動に必要な実践的知識を育成するために、基課題で開発中の異文化トレーニング学習支援システムと、英国の批判的思考教育を交えたブレンディッド教育方法を探究し、授業モデルを確立することである。 基課題で実施した調査では、実践的知識を育むための批判的思考教育等を本システムに取り入れ、理論的に整備された教育を検討する必要性が示された。そこで、本国際共同研究では、英国で教育学を専門とし、批判的思考教育と本研究を熟知している研究者と共同で、異文化トレーニング学習支援システムと批判的思考教育によるブレンディッド教育方法を考案し、実践的知識を育む授業モデルを確立することを目指した。 本研究を開始した2016年度後半から、本務校の事情により研究時間の確保が著しく困難な状態となった。そのため、全体的な研究計画の立て直しを行った。2017年度は、2016年度前半に英国にて収集した資料と面接調査内容を取りまとめた。2018年度は、研究期間の延長を視野に入れつつ、国際共同研究者とメールによる授業モデル案の検討を継続した。2019年度は、予定通り渡航することができた。英国の研究機関では、共同研究者と定期的に面談し、本研究の内容の精査を進めることができた。同時に、その他の教育学系の研究者らの協力を得て、本課題に関する面接調査を実施することができた。また、同研究機関の別の研究者による招待を受け、本課題に関わる教育学関連の研究発表会に参加した。さらに、本課題の中間発表として、2つの国際学会にて発表を行うことができた。帰国後は、本務校にて授業モデル案の実践的研究を行った。現在は、本実践的研究によって示された修正点を明確にしつつ、本研究の最終成果物を作成中である。
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