研究課題/領域番号 |
15KK0138
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
堀井 悟志 立命館大学, 経営学部, 教授 (50387867)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | 管理会計 / 支援型管理会計 / 原価計算 / 管理会計リテラシー |
研究実績の概要 |
本国際共同研究は,現状では不十分な日本企業の支配型管理会計制度の構築をアクションリサーチを通じて理論化する基課題を基礎として,非財務的な視点に基づく,生産管理や品質管理といった現場重視の経営を行った結果,支配型・支援型の管理会計の両方ともが不十分な企業において,支配型管理会計を構築・強化すると同時に,日本企業の経営実践の特徴である現場の(知の)活用,人を活かす経営を可能にする支援型管理会計の構築を目指すものであり,平成28年度は以下のような取り組みを行った。 1.現場の経営者意識向上を介した原価管理活動の促進を図ることを目的として,部門別採算制度の確立と,製品別原価計算制度改革の双方について,その構造の検討を行うとともに,運用方法の確立について,検討を進めた。 2.支配型・支援型の両立を可能とする海外子会社の管理制度の構築について,その方法の検討を行った。 3.支援型管理会計における管理会計リテラシーの必要性を検証するために,過年度に行ったインタビューや,基課題のプロジェクトにおける観察データを検討し,新たに海外赴任する人員の管理会計リテラシーについての検証を行った。 これらの,データの整理や,管理会計制度の設計を基礎として,海外の共同研究者であるJohn Cullen教授と,Chris Akroyd講師とは,その現状について共有し,今後の研究展開についてメールやスカイプを通じて,適宜意見交換を行った。またこの中で,管理会計におけるエスノメソドロジーの適用可能性についても意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査先企業の経営管理課題の優先順位や,管理会計制度導入の能力上の問題もあり,取り組みの進展が,想定よりも遅く,導入がやや遅れている。一方で,その構造や運用方法の設計については,想定以上に検討が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
検討を進めているが導入が遅れている部門別採算制度,原価計算制度,海外子会社の管理制度について,集中的に確立し,導入を推し進め,その成果についての観察を行うとともに,その日本企業の管理会計実践の理論化に向けた研究方法や理論の検討を共同研究者と推し進める。それらを受けて,平成29年度中には,成果公表に向けた論文の骨子を確立することを目指す。
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