今後の研究の推進方策 |
今後は、ビジネス・エコシステムの形成プロセスの分析に有益と目されるプラットフォーム理論を取り上げ、標準との関わりを意識しながら先行研究のサーベイを行う。プラットフォームとは、システムを分割する汎用的なインターフェイスの一形態である。そしてIoT時代のビジネス・エコシステムは、そのようなインターフェイスを介した産官学の補完的なネットワークであり、産業アーキテクチャの垂直非統合化を促すものと想定している。また、共同研究・調査の実施に向けて、共同研究者及び国内外の研究パートナーと共に、研究アジェンダの洗い出しと精緻化、一部の実施にあたる。 すなわち、理論研究については、プラットフォーム理論を援用し、新産業の創造とビジネス・エコシステムの形成にあたって国際的かつ業際的な性質をもつようになった標準の新しい役割を提示し、標準の概念モデルの構築をはかる。また、複数のアクター間の相互作用に着目してプラットフォーム概念を構築してきた先行研究(e.g. David Evans, The Antitrust Economics of Multi-Sided Platform Markets, Yale Journal on Regulation, Vol20, 2003)のサーベイを実施する。 実証研究については、CPS産業に着目し、AIOTIにおける標準の策定過程を主に現地調査を通じて実証的に明らかにしていく。具体的には、仏国の公的研究所(Institute Mines-Telecom)と共同で平成29年9月から平成30年3月まで実地調査にあたる。
|