研究課題/領域番号 |
15KK0140
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
三島 重顕 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (60454930)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | pharmacist / community pharmacy / ODE / job satisfaction |
研究実績の概要 |
2017年度は、2016年度に日英両国で実施した定性調査の分析ならびに論文執筆に集中した。上半期に書き下ろしで論文を執筆し、その後、University College London(UCL)School of Pharmacyの共同研究者2名、ならびにUniversity of Nottinghamの共同研究者1名とインターネットを利用して、論文の修正を続けてきた。10月には渡英し、共同研究者全員で集まって論文内容に関して議論し、投稿先とするインターナショナル・ジャーナルについても話し合ってきた。 本研究の研究対象となったのは、調剤薬局(地域薬局)(community pharmacy)に勤務する薬剤師40名ほどであった。日英両国の薬剤師に定性調査を実施することで、「専門能力の発揮機会」(Opportunities to Demonstrate Expertise〔ODE〕)と「職務満足」(job satisfaction)の関係性を明らかにすることが目的である。現在ほぼ執筆・修正を終えた論文では、日英の薬剤師が調剤薬局の各業務のうち、どの業務を「専門能力の発揮機会」とみなしているか、またどの業務から「職務満足」を得ているのか、そしてこの両者の関係性について分析した。大変興味深いことに、若干の差異は見受けられたものの、日英の調査結果は酷似していた。 調剤薬局に勤務する薬剤師により専門性を発揮してもらうことが出来れば、膨張の一途をたどる我が国の医療費の抑制につながる可能性が高い。事実、調剤薬局の政策の方向性がほぼ一致している(しかしずっと先行している)英国では、薬剤師が医療の専門家として大いに活躍し、医療費抑制に少なからず貢献している。また、地域住民にとっては、薬剤師は医者に行く前に相談する「頼れる医療人」となっている。したがって、日英比較研究することの社会的意義は非常に大きいと信じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016年度に実施した日英の調剤薬局における定性調査の結果を分析し、論文の執筆もほぼ終えている。研究の最終年度となる2018年度中に、論文をインターナショナル・ジャーナルに投稿する予定である。また、研究成果を国内の学会や国際学会で発表する予定である。したがって、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
先述の通り、2018年度中にインターナショナル・ジャーナルに論文を投稿する予定である。また、国内外の学会で成果を報告する予定である。差し当たって、6月にギリシアで開催される国際学会で研究成果を報告することが決定している。 本研究課題の終了後も、UCLやNottinghamの共同件研究者たちと引き続き当該分野に関する日英比較研究を継続していく予定である。
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