研究課題/領域番号 |
15KK0142
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
古賀 元也 崇城大学, 工学部, 助教 (30635628)
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研究期間 (年度) |
2015 – 2017
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キーワード | デンマーク / コペンハーゲン / 身障者支援 / 福祉のまちづくり |
研究実績の概要 |
本研究課題は身障者のまちづくり参加の支援のあり方,市街地整備の在り方といった問題に対し,国際共同研究によってアプローチする。共同研究先はデンマークのコペンハーゲン大学であり,デンマークは身障者も健常者と同じ快適な日常生活を保障するという理念「ノーマライゼーション」が生まれた福祉先進国である。高齢者,障がい者に対する充実した福祉政策だけでなく,まちづくりにおいても市民が参加し,意見を述べる体制が十分に整っている。本研究課題では,コペンハーゲン市を対象に車いす使用者の回遊性に着目した都市調査を行い,地理情報システム(GIS)の解析によって,利便性を定量的に評価,分析する。また,身障者が参加するまちづくりの事例調査(車いす使用者,自治体へのヒアリング調査等)を行い,参加のプロセスとその効果を明らかにする。 平成28年度は①身障者支援の先進事例調査として自治体(オーフス市,ラナス市,コペンハーゲン市,クーエ市,オーデンセ市),民間支援団体・研究所等(デンマーク・ハンディキャップ協会,グッドアクセス,国立建築物研究所,コムブロット)にヒアリング調査を実施し,身障者支援のマスタープラン(ハンディキャッププラン)の立案プロセスの実態を明らかにした。また,②コペンハーゲンの中心市街地をフィールドとした身障者支援システムの開発に向けた基礎調査を実施した。そして対象となる約500の通りについてGIS(地理情報システム)上に整理,リンクとノードを設定し,データを整備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題で計画していたヒアリング調査をすべて実施し,身障者支援の先進事例の情報を収集,分析した。例えばラナス市が取り組む多くの障がい者の意見を集め,まちなかのバリアフリー整備や彼らの生活を支援する戦略プランとして立案した「ハンディキャッププラン」においてその立案プロセスを明らかにした。さらに当初の計画にあった調査対象に加え,オーデンセ市が取り組む車いす使用者のナビゲーション・システムに関するヒアリング調査を実施,またオーデンセ市との共同研究プロジェクトチームの結成等のミーティングを実施した。 コペンハーゲン版の身障者支援システムの開発に向けた基礎調査もすべて計画通りに実施した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は,コペンハーゲン版の身障者支援システムの開発に向け,対象地の通りの詳細な調査を実施する(歩道幅,整備不良個所,バリア要因等,写真)。これらの調査結果を基にデンマーク版身障者支援システムを開発し,有用性を検証する。
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