メタ認知は、内省による自己像の把握に関わり、従来、人文社会学や認知心理学の重要テーマとして、注目されてきたが、その神経基盤を探る実証研究は、近年、始まったばかりである。現在、世界のいくつかのラボで、ヒト・動物を対象に、その解明に取り組んでいるが、これらは、独立かつ散発的に行われているのが現状である。 本研究では、ヒト・動物を対象にした実験のメリット・デメリットを、相互補完し、メタ認知の生物学的機構を、統合的に理解することをめざす。 本研究は、平成29年3月に申請したため、事実上、プロジェクト1年目となった。国内外の研究者と、研究会において、メタ認知を支える神経基盤と多重モデルについて、有益な議論を行うことができた。例えば、初来日の海外の研究者を、学会に来てもらい、その後、意見交換を行うことができた。来年度以降、こちらから、海外に出向いて、研究を進める機会を増やす予定である。
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