カーボンナノチューブに代表されるメゾスコピック一次元物質における電子相関を明らかにすることが本研究の目的であった。ナノチューブの表面曲率による微小ギャップやスピン軌道相互作用の効果を取り込んだ有効一次元格子模型を構築し、これをもとに系の電子相関を調べた。レーゲンスブルグ大学(ドイツ)との共同研究により、超伝導相関のもとマヨラナ粒子が現れることを示した。ブダペスト工科経済大学(ハンガリー)との共同研究により、トポロジカルな端状態における電子相関の結果、左右端付近に局在したスピン間に働く相互作用の詳細を明らかとした。
|