研究課題/領域番号 |
15KK0150
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
角野 浩史 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (90332593)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | 希ガス / ハロゲン / 水 / 沈み込み / マントル / メルト包有物 / 質量分析 / 物質循環 |
研究実績の概要 |
本研究では、これまで定量的に見積もることの難しかった希ガスとハロゲンのマントルへの沈み込み量を、英国オックスフォード大学ならびにマンチェスター大学所有の最新のマルチコレクター希ガス質量分析計を用いた超精密同位体比測定をもとに決定することを主たる目的とする。そのためにダイヤモンドやマントルかんらん岩などのマントル物質に加え、沈み込んだ水の付加により生じた島弧火山岩中のかんらん石斑晶に内包される微小なメルト包有物も研究対象とする。本年度は交付申請がH29年2月であったため、実質的な研究はほとんどできなかったが、既に入手していた伊豆諸島・新島北方の無人島である鵜渡根島で採取した火山岩から、かんらん石を分離する作業を実施した。国立科学博物館の所有する高電圧パルス粉砕装置SELFRAG Labを用いて数mm以下のサイズに粉砕した試料から、磁石を用いて石基部分と、かんらん石・輝石・斜長石等の斑晶を選り分け、さらに実体顕微鏡で観察しながらかんらん石を取り分けた。かんらん石中にはメルト包有物が多数見られることから、このような試料の分析によりマントルに沈み込み、島弧火成活動に寄与した水とともにマントルウェッジに供給された希ガスとハロゲンの起源と量に関する知見が得られるものと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年2月からの英国渡航前に実施する計画であった、国内の島弧火山岩の採取と、メルト包有物を含むかんらん石試料の分離に着手し、既に伊豆小笠原弧については鵜渡根島に加えて、これまでの研究で調製してきた大島、新島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島等の試料が揃っている。
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今後の研究の推進方策 |
上で述べたとおり、平成30年2月の英国渡航前に、国内の島弧火山岩、とくに東北日本の火山岩を入手し、かんらん石試料の調製を進める。平成29年8月にはフランス・パリで開催される地球化学分野で世界最大の国際会議Goldschmidt 2017に参加するが、英国渡航時の受け入れ先であるマンチェスター大学のBurgess教授と、オックスフォード大学のBallentine教授とは、そこで直接会って研究の具体的な進め方について相談することになっている。平成30年2月から2ヶ月間の最初の英国滞在の間に、ハロゲン分析に必須である中性子照射のために原子炉に送付する試料カプセルの準備や、レーザーアブレーション装置を用いた希ガス同位体分析プロトコルの構築を行う。
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