研究実績の概要 |
本研究は2つの価数状態を取りうる希土類元素を含むf電子系-重い電子系化合物において理論的に提唱されている「価数揺らぎ」を媒介とした新しい型の超伝導について,申請者が発見したCePtSi2の圧力誘起超伝導を基に,新規物質探索から物性測定を行い, 価数揺らぎによる新規超伝導および新規電子状態の探索, そしてその発現機構の詳細と普遍性を明らかにすることを目的としている。カレル大学物理数学部(プラハ, チェコ共和国)の強相関電子系グループと共同でフラックス法の改良,チョコラルスキー法,ブリッジマン法,フローティングゾーン法を駆使した物質探索および純良化,大型化試料を作成し,極限環境下における物性測定を行う。今年度は,2017年4月からの渡航に向けて,チェコおよび日本での同時研究環境の構築を行った。極低温下の自動物性測定系を構築し,国外からでも遠隔操作できる環境を整えることによって,チェコ-日本での同時研究を行うことができるようになった。本研究課題における主な成果は翌年度(平成29年度)の申請者のカレル大学での滞在によって得られる予定である。
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