研究課題
米国ローレンス・リバモア国立研究所のJohn Moody博士のグループに所属し,レーザー駆動方式による強磁場発生について,実験的研究を行った.同研究所内にあるJupter Laser Facilityを利用し,レーザー駆動強磁場を用いたレーザー加速プロトンの伝播制御に関する実験を行った.実験で得られたプロトンビームの空間パターンは,詳細な磁場形状を考慮したシミュレーションによって再現可能であることが明らかになりつつある.レーザー駆動方式によって発生する磁場を量子ビームの輸送制御や実験室宇宙物理学で活用するためには,磁場の持続時間を伸長する必要がある.ロチェスター大学のOMEGA-EPレーザーを用いた実験では,磁場強度と磁場の持続時間幅の,レーザー強度及びレーザーパルス幅依存性を調べた.レーザーの強度は固定したまま,レーザーのパルス幅を0.75 nsから10 nsまで変えながら実験を行い,パルス幅を伸ばすことで,磁場の持続時間も延びることが確認された.これは,レーザー駆動方式において,レーザーは電流駆動源になっていることを示唆する結果であり,レーザー駆動方式によって磁場が発生するメカニズムの解明にも繋がる重要な実験結果である.また,平行して,強磁場下におかれた物体の磁化過程に関する実験も行い,相対的に弱い磁場においては,絶縁体が磁化されやすいことを示唆する結果を得た.さらに,同研究所にある世界最大のレーザー装置であるNational Ignition Facilityにおける実験も行い,極めて大きなエネルギーで駆動されたターゲット中で形成される磁場の観測したが,引き続き信号対ノイズ比の向上が必要であることが確認された.本研究で得られた強磁場発生に関する知見を活用し,核融合エネルギー開発で必要とされる加熱ビームの輸送制御,レーザー加速器の効率化,磁気リコネクションなどの実験室天文学研究の研究を,引き続き進めて行く.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 備考 (3件)
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http://lf-lab.net