研究課題/領域番号 |
15KK0164
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 俊 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (10403130)
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研究期間 (年度) |
2015 – 2017
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キーワード | 量子情報 / 量子光学 / 量子エレクトロニクス / 微小光共振器 / 波長変換 / 単一光子 / 多光子干渉 |
研究実績の概要 |
本研究では、現在採択されている科研費(基課題)における光周波数領域におけるユニバーサル量子操作の発展として、微小光共振器による増強されてた非線形光学効果の研究を行う。基課題では2次の非線形光学結晶である導波路型PPLNを用いて実証を行っている。導波路型であるため励起光出力はバルク結晶を用いたものに比べて遥かに抑えられているが、これを多次元化した一般の量子操作を実現するためには多くの励起光が必要となる。そのため、現方式の延長では励起光出力の増大が問題となる。これを解決するためには微小励起光出力で動作する非線形光学効果の利用が欠かせない。本課題での国際共同研究者のグループではQ値10^9程度のシリカ微小共振器を用いて,微小励起光での非線形光学効果の研究を行っている。本共同研究では特にシリカボトル型微小光共振器による3次の非線形光学効果を利用した光周波数変換による量子操作の研究を行う。すでに当該共同研究グループでの微小光共振器作成技術を応用して、別途新しいボトル型光共振器作製装置を開発し、その作成技術を一定程度確立しつつある。本年度は内定通知が2月1日であり、実質の研究実施期間は2ヶ月未満であるが、共同研究計画も順調に立案することができ、次年度以降の研究の進展が期待できる。特に煩雑な渡航準備を共同研究者の協力により、比較的スムーズに行うことができ、必要なVISA申請等も年度内にほぼ完了することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は内定通知が2月1日であり、実質の研究実施期間は2ヶ月未満であるにもかかわらず、渡航先との共同研究内容の調整および計画の立案に加えて、渡航準備を急ピッチで進めることができた。次年度以降の渡航も順調にスケジュールされている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の準備状況を踏まえて、渡航先での共同研究を進める。特に渡航先のワシントン大学ではこれまで、トロイド型微小光共振器による非線形効果の研究を精力的に行うとともに、最新のボトル型微小光共振器の作製プラットフォームを立ち上げ中である。非線形光学効果に関しては、我々の作成するボトル型光共振器に応用し、量子領域での動作を目指す。最新の作製プラットフォームを参考に、我々の作製技術の向上を図ることにより、研究を加速させる。渡航先での研究と自前の研究をリンクさせ、着実に研究を推進することで十分に成果が期待できる。
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