研究課題/領域番号 |
15KK0170
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
橋本 善孝 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (40346698)
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研究協力者 |
スティップ ミヒャエル GEOMAR, Marine geodynamics, Research position
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研究期間 (年度) |
2015 – 2018
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キーワード | 沈み込み帯巨大地震 / 古応力 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、海洋付加体における古応力の変化を方位および強度について制約することである。一昨年度に一年間ドイツ・GEOMARに滞在し行った実験結果から得られた堆積物物性と、南海トラフ海洋付加体の掘削コアに記録された小断層解析から得られた古応力方位および応力比から、応力強度の制約にも成功した。また、古応力の変化も捉えることに成功した。この変化は地震サイクルに伴う可能性が高い。本年度はじめに第一原稿をドイツの共同研究者らと議論し、最終原稿を国際誌に投稿した。リバイスの過程でも共同研究者らと対応を協議し、11月に修正原稿を投稿した。12月終わりに受理となり、2019年1月に掲載に至った。
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自由記述の分野 |
構造地質学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
南海トラフ巨大地震の前後で変化すると期待される応力の履歴を地質学的に解明した。ドイツGEOMARで堆積物の圧密物性を室内実験で求めた。この圧密物性と古応力の方位を合わせることで、古応力の大きさの制約に成功した。また、古応力方位についても、地震サイクルに伴う変化が記録されていることが明らかとなった。すなわち地震時の逆断層は水平圧縮応力が大きく、地震後に応力が小さくなり、垂直圧縮応力ばに変化した記録が得られた。これは、過去の地震の規模を推定する新たな手法を開発したのみならず、将来の地震への切迫度の指標となりうるデータを提供する意義がある。
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