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2018 年度 実施状況報告書

格子QCDで探るアクシオン宇宙(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0176
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

北野 龍一郎  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50543451)

研究期間 (年度) 2016 – 2019
キーワード素粒子論
研究実績の概要

ゲージ理論はゲージ変換で移り変われる場の配位を同一視するというルールに従って構成される。この同一視により、時空が内部空間に巻き付いた非自明なトポロジーの配位が可能となり、実際に物理に多大な影響を与える。しかし、どのような仕組みで影響が現れるのかはいまだによくわかっていない。また、宇宙の暗黒物質候補であるアクシオンは、ゲージ理論のトポロジカルな性質を反映して質量を獲得するため、ゲージ理論の理解は宇宙の歴史の理解にも関連する。特に、アクシオン場のもつポテンシャルの全体像は未だ謎であり、その理解は、現在のアクシオン残存量計算や、アクシオンによるインフレーション模型の定性的な性質を知る上でも必須な情報である。
本年度は、SLACとStanford大学に滞在し、アクシオン研究の最新の結果や、ゲージ理論のトポロジーに関する新しい研究結果の情報を得るとともに、今後の研究に重要な知見をえることができた。トーラス上でゲージ理論を考察して、θ項の値に対する真空の応答の情報を得る研究成果をカリフォルニア大学サンタクルツ校にてセミナー講演を行い、また、様々なゲージ理論におけるθ項に関する議論を行った。
格子計算と準古典的インスタントン計算を比較した研究においては、低温と高温とで定性的な違いが見られた。渡米中にこの結果に関して、現地研究者と議論を行い、理論的理解を進めた。
その他、新しいタイプのアクシオン模型や、2次元、3次元、4次元理論のそれぞれのトポロジカルな性質やその関連についての研究を始め、新プロジェクト立ち上げを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの研究で、ゲージ理論のトポロジーに関して、多くの結果が得られている。SU(2)ゲージ理論の考察など、あたらしい研究テーマにも着手できている。

今後の研究の推進方策

平成31年度に米国に渡航し、新しい双対性の研究などに関しての情報収集、および、セミナー発表を行う。また、アクシオン物理の研究、ゲージ理論のトポロジー研究に関して、共同研究を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Unitarity constraint on the K?hler curvature2018

    • 著者名/発表者名
      Ema Yohei、Kitano Ryuichiro、Terada Takahiro
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 2018 ページ: 075

    • DOI

      10.1007/JHEP09(2018)075

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Leptogenesis via neutrino oscillation magic2018

    • 著者名/発表者名
      Hamada Yuta、Kitano Ryuichiro、Yin Wen
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 2018 ページ: 178

    • DOI

      10.1007/JHEP10(2018)178

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Instanton effects on CP-violating gluonic correlators2018

    • 著者名/発表者名
      Mori Shingo、Frison Julien、Kitano Ryuichiro、Matsufuru Hideo、Yamada Norikazu
    • 雑誌名

      EPJ Web of Conferences

      巻: 175 ページ: 12009~12009

    • DOI

      10.1051/epjconf/201817512009

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ニュートリノで拓く素粒子と宇宙2019

    • 著者名/発表者名
      Ryuichiro Kitano
    • 学会等名
      日本物理学会第74回年次大会(2019年)
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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