水平解像度120km、鉛直解像度550m、モデル上端47kmにして、昨年度実験を行ったMIROC気候モデル(東京大学、国立環境研究所、海洋研究開発機構で共同開発された全球数値モデル)データを用いて、赤道準2年振動(QBO)の基本的な再現性と、季節予報可能性についての解析を引き続き行っている。 研究代表者のモデルは、現在行われているQBO気候モデル国際比較プロジェクト(QBOi)の中で、非定常重力波パラメタリゼーションを用いずともQBOを再現している唯一なモデルである。つまり、同パラメタリゼーションの不確実性を取り除いたQBO研究が可能になる。申請者のモデル結果を他機関のモデル群と比較する事で、重力波パラメタリゼーションが引き起こす影響についても考察可能である。 研究代表者はQBOiプロジェクトの主要メンバーとして、関連する研究者との対面での議論、及び2ヵ月に1回開かれる定期的なテレビ会議を通して議論を継続してきた。その結果、各研究機関の気候モデル実験データを解析した最初の論文を発表するに至った(Butchart et al. 2018)。 QBOiマルチ気候モデルデータを用いた、QBOの季節予報可能性に関するデータ解析も継続しておこない、各モデルの利点・欠点、重力波パラメタリゼーションに伴う不確実性の検証、予報における解像度依存性を含めて検討を行っている。現在論文執筆の為の準備をしている。
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