研究課題
本国際共同研究の目的は、(1) 海底下地質試料、氷床試料、地球外物質などに含まれる超微量成分、(2)「はやぶさ2」で得られるカプセル中の極めて微量な揮発成分の迅速かつ信頼性の高い多成分同時計測を可能にする技術の構築、 (3) 生体高分子の分子間振動や水素結合に起因する光の吸収が存在するテラヘルツ領域(電波と光の境界領域)に応用範囲を拡げて、生体高分子の識別・定量法の開拓、を国際的に活躍する第一線の研究者と共同研究を推進することで、基課題の研究を格段に発展させることにある。最終年度は、引き続きパデュー大学に研究意見交換のための出張を続けながら以下の成果を得ることができた。(1) 超微量揮発成分のうち、H2O・NH3・CH4・CO2の安定同位体の最適波長領域を中赤外に見出し、2020年末に帰還する「はやぶさ2」の揮発成分分析のためのベースラインを構築し、(2) テラヘルツ分光については、炭酸塩鉱物の結晶多形の決定法を開発し、エックス線回折法よりも高感度で定量可能であることを、国際誌、特許出願、プレスリリースの形で公表した。研究期間全体を通して上記(1)-(3)の目的に関して、当初の予想以上の良質の成果を得ることができ、アリゾナ大学・パデュー大学の両者とも今後のさらなる強固な共同研究体制を構築することができたのは大きな成果である。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
ACS OMEGA
巻: 4 ページ: 2702-2707
10.1021/acsomega8b03311
Angewandte Chemie
巻: 57 ページ: 10888-10893
10.1002/anie.201804667