研究実績の概要 |
研究代表者はこれまでに,イオン伝導体材料自身が電気信号の入力頻度を自己判断して出力する「無機シナプス」動作を報告しており,その特徴は情報の入力判断と記憶を同時に行える点にある.本研究課題では,この無機シナプス動作の実デバイス化のさらに先のチップ化を行い,シナプス結合の変化・信号の蓄積&判断・発火という一連の神経系情報処理を実行可能な実用的なシステムを提示することを目指した. 当該年度は,外国機関であるドイツ・RWTH Aachen Universityの研究者とともにシナプス特性を再現するために有効な材料系の調査に関する共同研究を行い,材料のサイズや組成比の最適化をすることでシナプスやアナログの特性の出力を得た.そして,その結果を用いてデバイスシステム化の最適化をするために,アメリカ・University of California, Los Angelesの研究者とともに無機シナプスの配線組み込み回路に関する共同研究を行い,金属ワイヤーネットワーク回路を用いた神経系情報処理デバイスシステムの動作結果を得た.
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