研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
液晶性有機半導体の結晶構造変化による高移動度化の要因を探るべく、熱アニールによる結晶構造の変化やそれぞれの電荷輸送特性を調べた。液晶構造由来のモノレイヤー結晶構造からバイレイヤー結晶構造に変化することで、単結晶と同じバイレイヤー結晶構造を基板界面より形成した。さらに有機トランジスタでは適切な電極を利用することで接触抵抗が小さくなり、材料本来の移動度に近い高い移動度を示す有機トランジスタが作製できた。
有機エレクトロニクス
本研究で注目したモノアルキル鎖で高秩序の液晶相を示す有機トランジスタ材料は溶液プロセスでも平坦な結晶薄膜が作製できる。また、120℃5分間といった短時間の熱アニールにより結晶構造を変化させることで高移動度を示す有機トランジスタを作製できる工業的に有用な材料群といえる。本研究では高移動度の要因を検討することで、このような性質を持つ幅広い有機トランジスタ材料が期待でき、社会的・工業的な価値の高い結果といえる。