研究実績の概要 |
本国際共同研究では、基盤研究(B)「細胞―材料界面と細胞膜表面の分子プロセス解析に基づく新しいバイオマテリアルの創成」の研究目標をさらなる拡張を目指した。平成26-27年度前半にかけて、近接場光学、原子間力顕微鏡技術を組み合わせ、当初の目的であった材料に接着した細胞膜表面の受容体タンパクの2次元分布のナノスケール分解能解析、足場タンパク質の形成過程のリアルタイム計測技術を確立した)。上記の解析技術はHeLa細胞、血管内皮細胞(HUVEC)などのモデル細胞系で確立し、医用工学分野の具体的な課題解決を目指した。本研究では外部刺激に対する細胞の応答をより包括的に議論するために、バイオインターフェース、バイオマテリアル分野で世界的にトップレベルにあるシンガポール ナンヤン工科大学 Prof . Namjoon Cho(人工脂質膜、細胞プラットフォームが専門), Prof. Lay Poh Tan(幹細胞の分化制御,遺伝子解析が専門)と連携し、以下の2点に焦点を絞り、研究を発展させることが出来た。 1.高選択性を保持した細胞への情報伝達を可能とする不活性表面および疑似細胞膜プラットフォームの構築、およびそれを用いた細胞への刺激付与(情報伝達) 2.細胞への刺激付与と細胞膜表面の分子応答プロセスと細胞内の遺伝子発現、および巨視的な細胞応答(接着、分化、細胞死など)の解析 この2つの技術を上記のモデル細胞に加え、骨芽・破骨細胞、幹細胞、神経細胞など、それぞれ高齢医療、再生医療、神経系欠損治療に重要な細胞・組織に関して行った。
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