均一系錯体触媒と不均一系触媒の双方の利点を持つ次世代型触媒である、均一な活性サイトを有する「シングルサイト性不均一系触媒」の温和な条件下における高活性化を、多様な金属錯体の還元に適用可能な有機ケイ素還元剤を用いることで達成した。その結果、不均一系触媒を用いる際に必要な熱エネルギーの大幅な削減に成功し、さらに様々な置換基を有するアルケンを用いたメタセシス反応にも適用可能であることを明らかにした。また、有機ケイ素還元剤により得られる低原子価種が窒素間二重結合の切断にも有効であり、環化付加反応を経て、アゾベンゼンを原料とする触媒的なピロール合成にも有用であることを見出した。
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