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2016 年度 実施状況報告書

進化分子工学を用いた細胞内蛍光増幅反応系の構築(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0190
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

鵜澤 尊規  国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 専任研究員 (60554376)

研究期間 (年度) 2016 – 2017
キーワード蛍光性アミノ酸、 / アミノアシルtRNA合成酵素 / 進化分子工学
研究実績の概要

基課題としては「生きた個々の細胞内において数コピーしか存在しないmRNAのある時点での位置と量を正確に測定するために『光をトリガーとした蛍光増幅反応系の構築』」を目指してきた。この系では、蛍光分子に結合するRNAを進化分子工学的に選出してから細胞内で利用するというものであり、蛍光分子とRNAという二分子系を用いる必要がある。このような系を用いなければならない理由は、生体内で任意のRNAに蛍光分子を取り込ませることができないことにある。さらに、RNAは生体内で安定に存在できないことから、生体高分子の観察という観点においては現在の系は改良の余地がある。そこで、本研究課題では、生体内におけるタンパク質の任意の位置への蛍光色素の導入することを目指した。これまでに報告されている大腸菌の耐性遺伝子を利用したスクリーニング法を用いて、環境応答性の蛍光色素に対するアミノアシルtRNA合成酵素の選出を進めたものの、アミノアシルtRNA合成酵素の選出には至らなかった。このため、他の方法としてin vitro compartment法の一種であるgel-shell beadsを扱っているFlorian Hollifelder教授の研究室に半年間滞在し、gel-shell beadsおよびbeads display法を修得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

タンパク質の任意の位置への蛍光色素の導入を目指して、特定の蛍光色素をtRNAに修飾できるアミノアシルtRNA合成酵素の選出を既存の方法で進めると同時に新しい選出方法の構築を進めた。まず、既存の非天然のアミノ酸を取り込むことで薬剤耐性が得られるような大腸菌を使ったスクリーニング法を用いて、環境応答性の蛍光色素に対するアミノアシルtRNA合成酵素の選出を進めた。この実験では、大腸菌内における蛍光性アミノ酸の取り込みを示唆するデータは得られたものの最終的にtRNA合成酵素の選出には至らなかった。非天然アミノ酸の種類によっては、そもそも大腸菌の膜を通らない可能性があるため、大腸菌を使わないアミノアシルtRNA合成酵素の選出系をとして、beads displayやgel-shell beads の利用が考えられた。そこで、これらの技術を使ってメタゲノムから新規酵素を選出するという研究を進めている英国ケンブリッ大学のFlorian Hollifelder教授の研究室に半年滞在し、特にHollifelder教授の研究室でしかできないgel-shell beadsの作成方法に関する技術を得た。

今後の研究の推進方策

Gel-shell beadsの物理特性の解明および作成方法の改良を目指すと同時に、beads display法やGel-shell beadsを用いたin vitro compartment法を用いて蛍光性非天然アミノ酸をtRNAに修飾できるアミノアシルtRNA合成酵素の選出を進める。

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公開日: 2018-01-16  

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