最終年度は、Si多結晶の融液成長に関して、1.結晶粒界の移動方向、2.小角粒界と双晶界面の反応について、実験(東北大金研)と理論(IKZ)の両面から検討し、それらのメカニズムを明らかにすることが出来た。また、Si多結晶の融液成長実験を行っている東北大の博士学生2名もIKZを訪問することができ、IKZコロキウムにおいて招待講演を行った。さらに博士学生1名はドイツーポーランド結晶成長国際会議(ポーランド)において、本研究成果に関して招待講演を行った。このように、Si多結晶の融液成長メカニズムの国際共同研究を通して、結晶成長学の発展だけでなく若手研究者の育成においても有意義な成果が得られた。 期間全体の成果としては、Si多結晶の融液成長に関して、双晶界面の形成メカニズム、粒界グルーブの形状と双晶界面形成の相関、結晶粒界の移動方向、小角粒界と双晶界面の反応、小角粒界と大角粒界の反応について実験的に明らかにすることが出来た。また、これらの理論的解釈も進み、フェーズフィールドシミュレーションによる現象のモデル化に着手することが出来た。さらに、共同研究先のIKZ(ドイツ)だけでなく、IM2NP(グルノーブル、フランス)や中国のSi結晶メーカーの研究グループとも有意義な議論ができ、今後、本研究をさらに国際的に発展させるためのネットワークを構築することが出来た。
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