2018年度は、①オンチップ光起電力セルを用いた集積型ワイヤレス光電力伝送による生体埋め込みデバイスの動作実証、および②CMOS制御光電力伝送・エナジーハーベスティングによる電気化学方式グルコースセンサの回路設計と基礎評価・機能実証を行った。 ①オンチップ光起電力セルを用いた集積型ワイヤレス光電力伝送においては、2017年度に実証した機能によって青色LEDを駆動する生体埋め込み型光刺激デバイスを実現した。青色LEDを駆動することができたことは、多様な蛍光計測を実現することが可能であることを示す。さらに駆動電流の制御機能も実現しており、負荷回路の駆動において電流制御モードも実現した。 ②CMOS制御光電力伝送による電気化学方式グルコースセンサの開発においては、低消費電力アンプによって電気化学セルを定電圧駆動し、さらに電気化学計測データである電流を一定倍率でLEDに流すことにより、パルス幅変調方式のデータ読み取りが可能であることを実証した。本進捗により、本研究の中心目的の一つであるワイヤレス駆動型グルコースセンサの実現可能性が実証できたといえる。本成果については2018年10月に米国クリーブランドで開催された国際会議(BioCAS2018)において報告し、高い評価を得るとともに、筆頭著者であるNattakarn WuthibenjaphonchaiはStudent Travel Awardを獲得した。
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