研究課題
2018年3月から11月にかけて、パリ南大学固体物理研究所P. Davidson教授の研究室に客員研究員として所属し、研究を進めた。昨年まで行ってきたDNA/粘土鉱物ナノ シート混合系をベースとし、さらに発展的な検討を行った。まず基研究のマテリアルレベルでの多様化を目的として、先方が合成技術を有する磁性ナノロッドであるゲータイトおよび、ゲルマニウムドープ型ナノチューブを用いた基礎検討を行った。コロイド溶液の粘性や安定性、pHなど、今後の応用研究に向けた基礎的知見を得ることが出来た。先進的な構造物性解析の側面からは、電気複屈折測定の専門家との共同研究により、宮元研究室で合成した単分散チタニアナノシートを用いた検討を行ったところ、予想に反する極めて遅い電場応答などが観測され、ナノシートが特異な集合体を形成していることが示唆された。今後詳細な検討を進め、DNAとの複合化によって発展的な系が構築できることが期待される。さらに、グルノーブルの放射光X線施設European Synchrotron Radiation Facility(ESRF)にて、X線小角散乱を用いた構造解析の予備実験を行い、装置の特性などを把握することが出来た。今後正式なビームタイムの申請を経て、構造解析を進めて行く予定である。理論的側面からは、小角X線散乱によるナノシート液晶の構造解析における、理論散乱関数の導出について詳しい議論を行った。この議論を元に、2次元散乱パターンを厳密に解析し、ナノシート液晶の配向秩序パラメーターを算出する解析ソフトを作成した。DNA/ナノシート複合体を含む、多くの系に適応可能であり、今後の研究の発展にも寄与するものである。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (69件) (うち国際学会 29件、 招待講演 15件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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