本研究の第二年度となる平成29年度は、当初の予定通り6月から9月まで英国ケンブリッジ大学にVisiting Academic Fellowとして滞在し、現地の研究者と国際共同研究を実施した。本研究は現地にて、基課題である基盤研究(B)「ナノ技術および生物科学の積極導入による新しい多重機能型構造システムの研究開発」、および挑戦的萌芽研究「自然界における周期性の自発的パターン形成機構解明と社会システム設計への合理的応用」を国際共同研究体制の中でさらに強力に推し進めるべく実施されたもので、具体的には初年度の韓国仁川大学にて実施した、生物形態模倣技術に関わる構造力学的研究をはじめとする理論的な内容の複数テーマに取り組んだ。 また、当地では共同研究に加え、学内での特別講演(Engineering Department Structures Research Seminars)講師にも選出され、"Learning from bamboo: Plant-mimetic design toward less material & high-stiffness structure"と題する講演も行った。滞在期間中にはPLOS ONE誌に掲載された本共同研究の関連論文の内容が、科学雑誌Newton2017年8月号に世界の注目される科学研究の一つとして、Science Sensor欄の記事となるなど、国際的なインパクトを残すことができた。
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