研究課題/領域番号 |
15KK0223
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
有働 恵子 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (80371780)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | 海岸侵食 / 砂丘 / 土砂収支 / 漂砂 / 飛砂 |
研究実績の概要 |
将来は気候変動による高波の特性変化や海面上昇等が予測されており,沿岸域に人口と資産が集積する我が国をはじめ,世界の低平地で,海岸侵食ひいては国土消失に伴う高波や高潮等の沿岸災害の増大により,重大な影響が生じると予測されている.また,砂浜の陸側に直線的に造成された海岸人工砂丘は長期的に100m程度の長さの複数の小砂丘に分裂することが報告されている(Udoら,2003)が,この分裂は沿岸域の脆弱性を高める重大な現象である.本研究では将来の気候変動の影響評価や適応策検討において不可欠である,現状を再現可能な長期砂浜-砂丘変形モデルを構築するものである. 平成28年度は,九州大学・内田准教授との共同研究により,風場モデル(LES)を用いて,過去の長期的な砂丘分裂現象を説明しうる空間的に周期的特性を有する風場の再現に成功した.本成果は,29年度は,EGU(欧州地球惑星科学連合) General Assembly 2017およびCoastal Dynamics 2017の2つの国際学会での発表が決定している. さらに,平成29年3月より,オランダ・UNESCO-IHEで研究活動を開始し,Ranasinghe教授との共同研究を開始した.滞在期間は現時点で1か月であるが,UNESCO-IHEとオランダ・Twente大学との共同プロジェクト報告会への出席や,デルフト工科大学における研究状況に関する情報収集,欧州大型研究プロジェクトの最終報告会への出席等を通して,オランダを中心とする欧州の研究者との人的ネットワークの構築を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は,九州大学・内田准教授との共同研究により,風場モデル(LES)を用いて,過去の長期的な砂丘分裂現象を説明しうる空間的に周期的特性を有する風場の再現に成功した.本成果は,29年度は,EGU(欧州地球惑星科学連合) General Assembly 2017およびCoastal Dynamics 2017の2つの国際学会での発表が決定している.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,引き続き風場解析を進め,飛砂モデルの構築を行う.また,将来計画している砂浜-砂丘モデル開発に向けて,Ranasinghe教授が開発した長期砂浜予測モデル(PCRモデル)およびUNESCO-IHE・Roelvink教授らが開発したXBEACHモデルを日本の海岸に適用し,シミュレーションを試みる.
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