2019年度は,2017年度のオランダ滞在時にRanasinghe教授とともに行った,砂浜変形に関する共同研究について国際ジャーナル誌への投稿論文の共同執筆を行った.砂浜の地形変化を考える上で重要なパラメータである土砂移動限界水深に関する論文では,一般に用いられることが多いHallermeier(1978)式の係数が日本においては必ずしも最適ではなく場所に依存することを示し,2020年2月にScientific Reportsに掲載された.Larson教授らの研究グループで開発された汀線変化モデルの茨城県波崎海岸における適用性について検討した研究成果は,2020年の国際海岸工学会議における口頭発表に採択された.日本における河川から海岸への土砂供給や関する研究成果については現在論文執筆中であり,2020年度中の論文掲載を目指している.研究期間を1年延長することで,複数の共著論文の執筆・掲載が可能となり,また,今後の継続的な共同研究関係を行う上で重要な進展を見ることができた. また,本研究費の助成期間終了以降もRanasinghe教授のグループとの共同研究を継続することとなり,Ranashinge教授の寄附講座にInternational Guest Researcherとして参画することとなった.特にRanashinge教授らにより開発された確率海岸線モデルの日本の海岸への適用に関する研究についての研究進展を目指しており,同研究グループのDastgheib講師が打ち合わせのために定期的に東北大学を訪問することを予定している.
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