研究課題/領域番号 |
15KK0229
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
荒木 稚子 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (40359691)
|
研究期間 (年度) |
2016 – 2018
|
キーワード | 強弾性 / ナノインデンテーション / 機械的特性 / 有限要素解析 |
研究実績の概要 |
本年度は,ナノインデンテーションおよびマイクロピラーを用いて,強弾性セラミクスの評価を行うことを目的とした.球状ナノインデンテーション試験・マイクロピラー圧縮試験および有限要素解析をあわせて行った. ナノインデンテーションの有限要素解析より,強弾性挙動は荷重-変位線図には見られないが,負荷除荷サイクルを用いて得られるインデンテーション応力-ひずみ線図には明確に見られることがわかった.さらに,理論の適用限界のため,上限臨界応力以上では,応力-ひずみ線図に誤差が生じることを明らかにした.一方実験においては,スイッチングひずみの小ささと現状の変位測定精度の関係で,強弾性挙動の評価が難しいことが明らかとなった. マイクロピラー圧縮有限要素解析より,ある程度以上のアスペクト比を持ったマイクロピラーを用いることで,見かけの応力-ひずみ線図に強弾性挙動が観察されることを明らかにした.一方実験においては,強弾性が観察される結晶方位でのマイクロピラーの作製およびマイクロピラーの圧縮試験とinsitu観察に成功した.しかしながら,スイッチングひずみの小ささと現状の変形観察精度の関係で,強弾性挙動の評価が難しいことが明らかとなった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的こそは達成されなかったものの,現状の装置スペックでは測定できないこと,および測定できない理由を明らかにすることができた.さらに,強弾性セラミクスのマイクロピラー圧縮試験は当初予定されていなかった試験であるが,世界初の試験を行うことができた.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,これまでに得られた成果を学会・論文で発表する予定である.また,今回の共同研究先に加え,今回のプログラムを通じて知り合った国内外の研究者たちと,より幅広く強固な国際共同研究体制を構築する予定である.
|