研究実績の概要 |
Core-shell構造化MFI型ゼオライトを用いた炭化水素の異性化反応 Core-shell構造化MFI型ゼオライトにPtを微量担持し、C6炭化水素の水素異性化反応の生成物選択性に対するcore-shell構造化の効果を検討した。コアのみにPtを担持したPt/ZSM-5,core-shell構造化後にPtを担持したPt/silicalite/ZSM-5それぞれを調製し、n-ヘキサンおよび2,2-ジメチルブタンの水素異性化反応を実施した。Pt/ZSM-5を用いたn-ヘキサンの異性化では、生成物の大部分はモノアルキル体であり、転化率38%における異性化選択性は98.7%を示した。これに対し、Pt/silicalite/ZSM-5では、転化率33%において異性化選択性は98.7%であり、core-shell構造化の影響は認められなかった。一方、2,2-ジメチルブタンを原料としたところ、Pt/ZSM-5では転化率37.7において異性化選択性は5.6であったのに対し、Pt/silicalite/ZSM-5では同反応条件において転化率は0.1%であり、2,2-ジメチルブタンはほとんど反応しない結果となった。つまり、Pt/ZSM-5では付加価値の高いジアルキル体はクラッキングが選択的であるのに対し、core-shell構造化によってそれが著しく抑制可能であること、さらに、ノルマル体の異性化において、core-shell構造化はその生成物選択性にはほとんど影響しないと言える。
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