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2015 年度 実施状況報告書

分子量4MDaの巨大酸素運搬蛋白質ヘモシアニンの構造生物学研究(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0248
研究機関北海道大学

研究代表者

田中 良和  北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 准教授 (20374225)

研究期間 (年度) 2015 – 2017
キーワードヘモシアニン / クライオ電子顕微鏡
研究実績の概要

軟体動物のヘモシアニンは4MDaにもおよぶ超巨大な円筒状の蛋白質会合体である.基課題において申請者はスルメイカ由来ヘモシアニンの結晶構造解析を行い,その構造が外壁領域と5つの内部ドメインから構成されている事を明らかにした.スルメイカヘモシアニンはFU-a, -b, -c, -d, -d*, -e, -f, -gの8つの機能ドメインから形成され,外壁領域にはFU-a, -b, -c, -d, -e, -fが,内部ドメインにはFU-d*, -gが含まれていた.しかし,結晶中でヘモシアニンは外壁領域のみで相互作用していたため,内部の2つのFUは結晶のパッキングによる構造安定化の寄与を得る事が出来ず,その結果,これらのFUの電子密度は非常にプアーで,そのモデルを十分な精度で決定する事ができなかった.そこで本研究では,クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析により,スルメイカヘモシアニンの内部領域の構造を決定することを目指す.
今年度は,平成28年度以降の連携研究の内容等について,渡航先のドイツ マックスプランク研究所Stefan Raunser教授と詳細に議論し,2016年8月から2017年3月までマックスプランク研究所にて研究を実施することを決定した.研究の方針についても,先行研究にて培った手法を用いて北海道大学にて調製したスルメイカヘモシアニンを凍結状態で送付し,それをドイツで解析することを決定した.さらに,測定や解析の際の協力者を決定した他,具体的な測定方法,解析方法についても議論した.研究代表者が渡航している間の基課題の研究方針も決定した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

次年度以降の渡航計画,研究計画について十分に議論し,大まかな研究スケジュールをたてる事が出来た.2月からの2ヶ月間で,十分な連携体制を整える事ができたことは十分な成果と言える.以上の成果を考慮し,おおむね順調に進展していると評価した.

今後の研究の推進方策

2016年8月から2017年3月末までドイツ マックスプランク研究所に滞在し,ヘモシアニンのクライオ電子顕微鏡解析を行う.試料は凍結状態でドイツまで輸送する.その際,先行研究により決定されているヘモシアニン10量体を安定化するバッファーにて溶解した試料を用いる.はじめにウランによるネガティブ染色法にて粒子の様子を観察し,大まかな測定条件を決定し,その後,クライオ電子顕微鏡の解析へと進む.クライオ電顕の解析については,初めにJEM3200にて低分解能の構造解析を実施し,その結果を踏まえて,TITAN KRIOSを用いて高分解能構造解析を行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 北海道大学 X線構造生物学研究室 ホームページ

    • URL

      http://altair.sci.hokudai.ac.jp/g6/

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公開日: 2017-01-06  

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