研究課題/領域番号 |
15KK0261
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研究機関 | 大阪体育大学 |
研究代表者 |
石川 昌紀 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (20513881)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2019
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キーワード | アキレス腱 / 超音波 / トレーニング / 骨格筋 / 滑る / 泳ぐ / 運動効率 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトでは、ダイナミックな身体運動における神経・筋・腱組織の制御に関するメカニクスと競技スポーツ種目選手の筋・腱・骨格の特異的な形態的特徴の機能的な適応について解明することを目的とし、Humboldt-University zu BerlinのProf. Arampatzis A、University of JyvaskylaのProf. KomiとProf. Linnamo、Aix-Marseille Universite;のProf. Nicolの協力で下記4点について明らかにした。(1)トップクラスの長距離陸上競技選手の硬い足首は、腱の硬さが重要とされてきた従来の研究と異なり、選手自身の筋の硬さがランニング効率を高めることに重要であること、(2)逆に、短距離陸上競技選手の筋やアキレス腱の硬さには競技力と関係性が認められず、股関節伸展筋であるハムストリングス近位の大きさが競技力と関係していた。また、(1)(2)の特徴はトレーニングによって獲得された後天的環境要因である可能性を示した。(3)重力の影響が小さい競泳選手や氷上のクロスカントリースキーでは、地上での運動と異なり、競泳のドルフィンキックでは筋の共縮活動で関節を硬くして腱の弾性エネルギーを利用し筋が長い特徴を有し、クロスカントリースキーでは、グリップワックスの抵抗に比例して短時間で大きな張力を得て腱の弾性エネルギーとして蓄えていることが明らかとなった。(4)さらに、パラアスリートの特異的な筋腱の形態、アキレス腱断裂経験者のアキレス腱の特性からヒトの筋腱の形態には可塑性が存在することが確認され、低重力下での筋の伸長と腱の短縮から重力が重要な影響を及ぼすことが明らかになった。これらの結果は、ヒトの身体運動における筋腱の多様な機能特性の解明に繋がり、構築された国際的な研究ネットワークを利用して今後も解明していく。
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備考 |
メディアでの紹介3回 NHK総合「東洋医学ホントのチカラSP」2020年5月5日 20:00-20:43, NHK総合「東洋医学 ホントのチカラ」2019年2月5日19:30-20:43, NHK総合 あさイチ 2019年1月4日8:15-9:00
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