今後の研究の推進方策 |
(1)ヒト始原生殖細胞形成機構の解明 ELK1-MED23の機能解析を行うために、ELK1及びMED23の条件的欠損ヒトiPS細胞の樹立を行う。現在、ELK1及びMED23をドキシサイクリン誘導的に発現するヒトiPS細胞の樹立は終了しているため、今年度はCRISPR/Cas9システムで内在性ELK1及びMED23をノックアウトする。また、ELK1及びMED23の標的遺伝子を探索するために、ELK1及びMED23のChIP-seqを行う。同様にPRDM14の機能解析を行うために、PRDM14条件的欠損ヒトiPS細胞の樹立を行う。ELK1, MED23及びPRDM14条件的欠損ヒトiPS細胞を用いて始源生殖細胞誘導を行い、ヒト始源生殖細胞形成におけるELK1, MED23及びPRDM14の機能解析を行う。 (2)アホロート始原生殖細胞形成機構の解明 昨年度までにアホロートルにおいてPRDM14が中胚葉性多能性細胞の維持に重要な可能性を示唆する結果を得ている。本年度は、そのメカニズムの探索を行う。アニマルキャップにbFGF及びBMP4を添加することで、in vivoにおける始源生殖細胞形成過程を再現できる系を既に構築している。そこで、Prdm14をノックダウンしたアニマルキャップにbFGF及びBMP4を添加後、遺伝子発現変化をRNA-seqで解析し、Prdm14 KDアニマルキャップがどの細胞系譜へと分化するのか解析する。また、in vivoにおけるPrdm14の発現をin situ hybridization法で解析する。
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