研究課題
研究代表者はこれまでの研究から、植物の脱分化・再分化のマスター転写因子の遺伝子発現が種々のストレスによって上昇し、細胞のリプログラミングを誘発していることを明らかにしている。また、これらの因子は、通常の発生・分化の段階では、ヒストン修飾を介したクロマチン制御によって遺伝子発現抑制を受けていることを明らかにしている。種々のストレスがヒストン修飾の変化を誘導し、クロマチン構造を変化させて脱分化関連転写因子の発現を促進する。ストレス誘導性の転写因子によってクロマチン構造が変化し、種々の脱分化関連因子の発現が促進する、という2つの仮説が立てられる。植物においてストレス誘導性の分化全能性・多能性発揮時にどのようなエピゲノム変化が起こるのか。本研究では、ストレス誘導、特に傷害ストレス時や脱分化関連転写因子の誘導時におけるクロマチン構造の変化を経時的かつゲノムワイドに捉えた。前年度までには、国内外の共同研究により、傷害ストレスにおいて、どの種のヒストン修飾変化が起きるのか捉えることができた。当該年度では脱分化関連転写因子の誘導時における、ゲノム上の開いたクロマチン領域に関するデータを得ることができた。リプログラミングを引き起こす転写因子を単独で発現させた時にも傷害ストレス時と同じ修飾変化が引き起こされるか、について現在さらなる研究を進めている。酵母ツーハイブリッド法などから、着目している転写因子がヒストン修飾因子と結合する可能性を見出している。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Developmental Biology
巻: 442 ページ: 40-52
10.1016/j.ydbio.2018.07.006.