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2016 年度 実施状況報告書

全ゲノム操作が拓く難培養細菌の遺伝子工学(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0266
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

柿澤 茂行  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (10588669)

研究期間 (年度) 2016 – 2017
キーワードゲノム / 微生物 / 細菌
研究実績の概要

難培養性細菌(難培養細菌・未培養細菌)と呼ばれる細菌は、培養が不可能もしくは非常に困難な細菌である。難培養性細菌は決して珍しいものではなく、近年のメタゲノム解析などの台頭により、環境中の微生物の99%以上は培養できないことが明らかとなり、これにより新たな微生物像が浮き彫りとなった。これらの難培養性細菌は、その全ゲノム配列を決めることで多くの知見が得られる一方で、遺伝子のノックアウトや過剰発現ができないという技術的な欠陥のため、その遺伝子の機能についての確実な証明はほとんどされていないのが現状である。
本研究は、近年開発された「全ゲノム操作技術」を応用することで、難培養細菌の培養および遺伝子操作系の開発を目指し、難培養細菌の持つ多様な機能を解明することを目的とする。これには、全ゲノム操作、全ゲノムクローニング、全ゲノム移植などが可能でかつ培養可能な細菌であるマイコプラズマ(Mycoplasma capricolum)を用いる。マイコプラズマゲノムと難培養性細菌ゲノムを融合させるアプローチのほか、マイコプラズマのゲノム複製起点であるOriCを導入する難培養性細菌ゲノムに組み込み、これをマイコプラズマ細胞へと導入することで、難培養性細菌ゲノムを細胞内でメガプラスミドのように共存させるデュアルゲノムの構想を得て、これを実現すべく研究を行う。
本年度は難培養性細菌の全ゲノムをクローニングし、そこへOriC配列を導入する系の検討を行った。用いたベクターは、YAC(酵母人工染色体)ベクターに、マイコプラズマ用の耐性マーカーを加え、かつ、マイコプラズマの複製起点OriCを保持したものと、OriC領域を持たないものの2種類を作成した。これにより今後の研究の進展に向けた準備ができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

全ゲノムをクローニングする系を確立するため、ベクターを新たに開発し、これをテストすることができた。また、マイコプラズマでの複製に必要なOriC領域を導入することで、デュアルゲノムの作成に向けた研究を進展させることができた。

今後の研究の推進方策

今後も引き続き研究を推進し、デュアルゲノムの作成に向けた系の開発を行う。加えて、難培養性細菌ゲノムをマイコプラズマ細胞へと導入する手法の改良も行う。

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公開日: 2018-01-16  

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