魚類性決定において、水温がどのように遺伝的性を上書きするのか、その分子機構を明らかにすることを目的とした。通常の雌(XX)と低水温により性転換を誘起した雌(XY)由来の生殖腺を用いてRNA-seqを行い、両区で有意に差がある99遺伝子を単離した。IPA解析を行った結果、両者に有意な差があると認められたパスウェイは、calcium-signaling、protein kinase A signaling、opioid signalingであり、estrogenとTGF-β1がこれらの上流制御因子であることが示唆された。これら因子は低水温による遺伝的雄の雌への性転換機構に関与していると考えられる。
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