我々の主食である栽培イネOryza sativaはアジアの野生イネO. rufipogonから栽培化されたことが知られている。種子が脱粒しない性質は栽培化の初期に選ばれた形質の一つであることから、その過程を知ることは我々の祖先がどのようにイネを栽培化し、食料を増産することで人類の発展の基盤としてきたかを解明することにつながる。同時に、イネの種子脱粒性は現在でも収量構成要素の一つであり、改良によって増産も期待できる。本研究で同定された種子脱粒性遺伝子座は、イネの栽培化過程の解明と今後の品種改良の両面に貢献することが期待される。
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