レオウイルス科オルビウイルス属流行性出血熱ウイルス群に属するイバラキウイルス(IBAV)は、10分節の二本鎖RNAをゲノムに持つ。本研究では、IBAVの複製機構や病原性発揮機序に関する知見が、IBAVに特有なものかを明らかにするため、IBAVと他のオルビウイルス属のウイルスを比較した。レオウイルス科でもオルビウイルス属に特有の構造タンパク質VP6の機能については、オルビウイルスで共通している点が多かったが、マウス由来細胞における顕著な増殖抑制は、ヌカカが媒介するオルビウイルスでのみ起こることが示唆された。また、オルビウイルスは共感染時、タンパク質レベルでの自己認識が曖昧であることが示唆された。
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