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2017 年度 実施状況報告書

魚類レプチンが持つ有用機能を解明する(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0288
研究機関国立研究開発法人水産研究・教育機構

研究代表者

村下 幸司  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 増養殖研究所, 主任研究員 (60597649)

研究期間 (年度) 2016 – 2018
キーワードレプチン受容体 / ゼブラフィッシュ
研究実績の概要

効率的に魚類養殖を推進するには,魚類の摂食・栄養素利用の調節機構に着目した技術開発が有効と考えられる。レプチンは食欲調節と栄養素の利用効率に重大な役割を果たす内分泌因子として知られている。しかし,魚類ではレプチンがどのようなメカニズムで栄養代謝を調節するのか等は不明である。そこで基課題では,効率的な養殖技術開発へ向けた基盤研究として,メダカをモデルに魚類レプチンの機能解析を行っている。本課題は基課題を発展させるものとして,メダカとの比較研究に適したゼブラフィッシュにおけるレプチンの機能解析を主な目的としている。
H28年度は,ノルウェーでの研究準備として,動物実験計画書を作成し現地での実験承認を得た。H29年度は研究準備が整ったことから,ノルウェーへ渡航しベルゲン大学での在外研究を開始した。
本在外研究では,まず魚類全体のレプチン機能を明らかにするための研究ツールとして,CRISPR/Cas9システムを用いてレプチン受容体が欠損したゼブラフィッシュの作出を試みた。データベースより入手した配列を基に3種のsgRNAを作製し,Cas9 mRNAと共に1細胞期の受精卵へ顕微注入することで変異導入を試みた。HRM(High Resolution Melting)法によって変異導入の効率を確認し,最も効率よく変異が導入されたsgRNAを用いてF0変異導入個体を作出した(変異導入効率:97%)。ここで作出した変異導入個体はモザイク様に複数の変異を持つことから,野生型と掛け合わせたF1の標的ゲノム配列を読むことで,機能欠損が予想される単一の変異をヘテロに有する個体を単離した(変異の生殖細胞系伝達率:91 %)。さらに単離したヘテロ変異個体同士を掛け合わせることで変異遺伝子をホモに持つ個体を作出した。本研究によって作出した変異体は,16塩基挿入によるフレームシフト変異によってリガンド結合領域以後が翻訳されないものであり,完全な機能欠損が引き起こされると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでにレプチン受容体が欠損したゼブラフィッシュを作出し重要な実験材料を得ており,研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今年度はベルゲン大学への3週間程度の滞在を計画しており,作出した変異体における栄養素利用や代謝調節に関する表現型を解析する予定である。詳細な日程や試験設定については,受入先研究者と協議の上決定する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Appetite-Controlling endocrine Systems in Teleosts2017

    • 著者名/発表者名
      Ivar Ronnestad, Ana S. Gomes, Koji Murashita, Rita Angotzi, Elisabeth Jonsson, Helene Volkoff
    • 雑誌名

      Frontiers in Endocrinology

      巻: 8-73 ページ: 1-24

    • DOI

      10.3389/fendo.2017.00073

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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