エボラウイルスの主要標的細胞がマクロファージや樹状細胞などの単核性食細胞系であるとされているが、これらの細胞が致死的病態にどのような役割を果たしているかは不明である。本研究ではマクロファージや樹状細胞での増殖が抑制された組換えウイルスを作出しマウスモデルにおける感染実験を行なった。その結果、マウスに致死的な病原性を示す親株と異なり組換えウイルスでは病原性が減弱していることが確認された。さらに感染初期にマクロファージでのウイルス増殖を抑制することで全身臓器でのウイルス増殖を遅らせ、制御された免疫応答により誘導された獲得免疫がマウスの生残に重要である可能性が示唆された。
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